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2025/10/30

平屋の天井高はどれくらいが最適?高さを確保するメリット・デメリットを注文住宅のプロが解説

世代を問わず人気の平屋。そんな平屋で、開放感のある心地よい空間づくりのキーポイントとなるのが「天井の高さ」です。平屋は、2階建てに比べて天井高を自由に設計しやすいという特徴がありますが、後悔しないためには、天井を高くすることのメリット・デメリット両面を知っておく必要があります。

この記事では、平屋の天井高を決めるポイントから部屋ごとの最適な高さ、クレバリーホームが手がけたおしゃれな施工事例まで分かりやすく解説します。最後まで読んで、平屋の家づくりのイメージを膨らませましょう!

自由に天井高を決められるのが平屋の魅力

建築基準法において、住宅の天井高は2.1m以上にするよう定められています。多くの住宅では、この基準より少し余裕を持たせた2.4m程度に天井高を設定しているようです。一方で、天井高の上限に関する法的な基準は特にありません。

用途地域や斜線制限による建物の高さの規制はあるものの、平屋の天井高に直接関わることもほとんどありません。2階の床や構造の制約を受けない平屋は、天井高を自由に設定しやすいのが大きな魅力です。

リビングダイニングにダイナミックな勾配天井を取り入れると、開放感が増して、家族みんながのびのびと過ごせる大空間に。ロフトやスキップフロアで縦の空間を上手に使えば、秘密基地のような遊び場や、趣味に没頭できる特別なスペースに。設計次第で暮らしの楽しみが広がります。

平屋の天井高を高くする4つのメリット

平屋の天井を高くすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、4つのメリットを紹介します

(1)開放感が生まれる

天井を高くする最大のメリットは、何といっても抜群の開放感を得られること。天井が高くなり、視線が縦方向にすっと抜けることで、同じ広さの部屋でも空間に広がりが感じられるようになります。

特に、家族が集まるリビングの天井を高くすれば、開放感たっぷりのくつろぎ空間を演出できます。圧迫感がなくなることでストレスが軽減されるなど、心理的にもゆとりが生まれ、ゆったりとリラックスして過ごせるようになります。

(2)自然光や風を効率的に取り込める

高い天井は、採光や通風の面でもメリットがあります。例えば、高い位置に高窓・天窓を設ければ、外部からの視線を遮ってプライバシーを守りつつ、暗くなりがちな部屋の奥まで自然光を届けられます。

また、高い位置の窓と低い位置の窓を同時に開ければ、自然換気を促して室内の空気を新鮮な状態に保てます。これは「温度差換気」といって、暖かい空気は上方へ、冷たい空気は下方へ移動するという性質を利用した自然換気です。高い天井を上手に活かせば、自然の力を味方につけ、エアコンなどの機械に頼りすぎない快適でエコな暮らしを送れるでしょう。

(3)ロフトやスキップフロアを活用できる

縦方向に空間が広がると間取りの選択肢も増えます。例えば、高い天井の一角を利用したロフトや小屋裏収納。使用頻度の低いものをしまっておく収納スペースとしてはもちろん、書斎やシアタールーム、子どもの遊び場など、秘密基地のようなこもり空間としても使えます

また、「スキップフロア」で床に高低差をつけるという方法も。高低差を利用すれば、壁で仕切らずに空間をゆるやかにゾーニングできます。「家族と過ごすときは開放的なリビングで」「仕事や作業に集中したいときはスキップフロアにあるワークスペースで」といったように、立体的な間取りが生活にもメリハリをつけてくれるでしょう。

(4)おしゃれな空間を演出できる

デザイン性の高い空間を演出しやすいのも、高い天井ならではの魅力です。例えば、梁を内装の一部としてあえて見せる「梁見せ天井」にすれば、梁の仕上げの違いでさまざまな空間を演出できます。木目の美しい無垢材の梁でナチュラルモダンな空間にしたり、ダークブラウンに塗装した梁で古民家のような趣のある雰囲気に仕上げるといった具合です。

切妻屋根や片流れ屋根の形状を活かした「勾配天井」は、同じ部屋の中で天井高に変化が生まれるため、空間の奥行きやリズムを感じられるのがポイント。シンプルになりがちな天井が、インテリアの決め手として輝きます。

天井が高いと、サイズの大きなペンダントライトやシーリングファンを設置できるなど、照明計画や内装デザインの自由度も高まります。高さを存分に活かして、メリハリの効いたおしゃれな空間を演出したいですね。

平屋の天井を高くする際に注意したい3つのデメリット

たくさんのメリットがある高い天井ですが、気をつけておくべきデメリットもあります。大切な家づくりで後悔しないよう、ここで紹介する3つのデメリットをしっかり押さえておきましょう。

(1)建築費が高くなりやすい

天井を高くすれば、その分だけ壁の面積も増えます。結果、標準的な天井高の平屋に比べ、壁紙や外壁材、断熱材といった材料が多く必要になります。作業量が増えれば職人の人件費もかさむため、建築費は高くなりやすいでしょう。

また、天井が高くなると構造計算が複雑になったり、高いところの施工のために室内足場を組まなければならなかったりと、追加でかかるひと手間が工事費に影響するケースも。天井を高くする際は、「どこにどれくらいのコストがかかるのか」を工務店に確認し、予算とのバランスで採用するかどうかを判断しましょう。

(2)冷暖房効率が下がりやすい

先述のとおり、暖かい空気は上方に、冷たい空気は下方にたまる性質があります。天井が高いと、特に冬場は暖房で温められた室内の空気が天井のほうへ逃げてしまい、足もとが暖まりにくいのです。そもそも天井が高い分、空調を効かせなくてはならない空間が広くなるため、標準的な天井高の家に比べて冷暖房は効きにくいといえます。

このデメリットを解消するには、シーリングファンを設置して空気を循環させたり、家全体の断熱性能を高めて室内の快適な空気が外へ逃げないようにしたりするのが効果的です。天井を高くするなら、デザインだけでなく住宅性能にも配慮して設計することも忘れずに。

(3)掃除やメンテナンスに手間がかかる

天井を高くするときに意外と見落としがちなのが、掃除やメンテナンスの問題。高い場所にある窓や照明器具の掃除、電球の交換、エアコンのお手入れ、梁に積もったホコリの掃除などは、簡単にはできません。

脚立での作業には危険が伴ううえ、脚立を使っても届かない場合、毎回専門業者へ依頼する必要があります。業者を呼べば、当然費用もかかります。長く快適に暮らすためには、設計段階でメンテナンスのしやすさまで考えておきたいものです。

平屋の天井高を決める際のポイント

単に天井を高くするだけでは、快適な空間をつくれません。ここでは、平屋の天井高を決めるときに意識すべき3つのポイントを解説します。

部屋ごとに高さを変える

「天井は高いほうがいい」と思っても、すべての部屋の天井を高くする必要はありません。例えば、家族の集まるLDKは天井を高くして開放感を演出。一方で、プライベートな空間である寝室や書斎はあえて天井を標準的な高さ、あるいは少し低めにして適度な「こもり感」を持たせるなど、部屋ごとに天井高を変えるのがおすすめです。

部屋の用途や目的に合わせて天井高にメリハリをつけることで、生活にも変化が生まれます。家族と一緒に過ごすときは開放的なリビングでのびのびと過ごし、自分の好きなことに集中したり、心を落ち着けたりしたいときは「こもり感」のある書斎や寝室に移動するといった具合に、家の中でモードを上手に切り替えられるようになり、日々の生活がより充実したものになるでしょう。

高気密高断熱な家づくりとセットで考える

高い天井のデメリットである冷暖房効率の低下は、住宅性能を高めることでカバーできます。特に意識してほしいのは、高気密高断熱な家づくりです。

気密性や断熱性が低いのに天井を高くしてしまうと、冷暖房がなかなか効かないうえに、せっかく適温になった空気が外へどんどん逃げてしまいます。ロフトやスキップフロアで空間に高低差がある場合、場所による気温差にも悩まされるかもしれません。

こうした事態を防ぐためにも、気密性を高めて室内の空気を外に逃がさないようにするとともに、断熱性を高めて外の暑さや寒さの影響を受けにくくする必要があるのです。

メンテナンスも考慮して設計する

天井を高く設計するとなると、どうしてもデザインや開放感にばかり目が行きがち。しかし、長く快適に暮らせる家をつくるには、長期的な視点も忘れてはなりません。「この照明は自分で交換できるか」「高い窓の掃除はどうするか」など、メンテナンス方法を設計段階でシミュレーションしておきましょう

とはいえ、設計上どうしても自力でのメンテナンスが難しいところも出てくるはず。そうした場合は、手が届かない照明を長寿命のLEDにして交換頻度を減らしたり、昇降式の照明器具を選んだりするといった工夫を検討しましょう。メンテナンスにかかる手間を小さくすれば、こまめなお手入れができるようになり、大切な住まいを長持ちさせられるかもしれません。

【部屋別】平屋の天井高はどう決める?おすすめの高さとポイント

部屋ごとに天井の高さを変えると、空間にメリハリが生まれ、気持ちやモードを切り替えやすくなります。ここでは、部屋ごとのおすすめの天井高の目安と、高さを決める際のポイントを見ていきましょう。

LDKの天井高

くつろぎ空間であるLDKは、リラックスできるように開放感や広がりを大切にしたいですよね。一般的な天井高である2.4mより少し高い2.5m〜2.7m程度に設定したり、勾配天井を採用して、さらに縦方向に広がりを持たせたりするのがおすすめです。

ただし、空間の広さとのバランスはしっかり考えたいところ。20帖以上の広いLDKなら天井を高くする効果は大きいですが、10〜15帖程度の比較的コンパクトなLDKの場合、天井が高すぎると、かえって落ち着かない空間になってしまいます。「天井は高めにする」というのを基本にしつつ、面積とのバランスも考えて高さを決めましょう。

寝室・子ども部屋の天井高

プライベートな時間を過ごしたり、一日の疲れを癒したりする寝室は、開放感よりも落ち着きを大切にしたい場所です。そのため、天井高は標準的な2.4mか、あえて少し低めの2.2m程度に抑えるのがおすすめ。程よい高さの天井が包み込まれるような安心感をもたらし、リラックスして過ごせる空間になります。

子ども部屋は、これからの子どもの成長も考慮して天井高を決めるのがポイント。今後ロフトベッドや収納を追加する予定があるなら、天井は2.4mよりも少し高めにしておくとよいでしょう。

玄関・廊下・ホールの天井高

玄関は、家を訪れた来客が最初に踏み入れる空間。吹き抜けにするなど、天井を高めに設定すれば、一歩踏み入れた瞬間から広々と開放的な印象を与えられるでしょう。

一方で、玄関や廊下の天井は標準的な高さに抑え、その先に広がるLDKの天井を高くしてメリハリをつける方法もあります。こうすれば、玄関を抜けてLDKへと進んだゲストに、この上ない開放感と驚きを与えられるはずです。

トイレや浴室など水まわりの天井高

トイレや洗面所、浴室などの水まわりは、居室に比べてコンパクトな空間です。そのため、天井高を標準の2.4mより少し低く設定しても窮屈には感じないでしょう。反対に天井を高くしすぎると、やたらと縦に細長い空間となり、不安で落ち着かない印象になりかねません。

換気扇や配管を設置するスペースの確保、掃除のしやすさといった実用性から考えても、水まわりの天井は少し低めにするのがおすすめです。

高い天井で快適な暮らしを実現したおしゃれな平屋の施工事例3選

ここからは、クレバリーホームが手がけた平屋の中から、高い天井を上手に活かした施工事例を3つ紹介します。平屋の天井高でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

事例① キャットウォークを兼ねた梁がおしゃれな高天井の平屋

1つ目に紹介するのは、切妻屋根の勾配を活かして、リビングの上部を吹き抜けにした住まい。リビングは高い天井で開放感を演出しつつ、ひと続きのダイニングキッチンは高さを抑えています。高さの違いで「食事をする空間」と「くつろぐ空間」をゆるやかにゾーニングしているので、家での過ごし方にメリハリがつきそうですね。

吹き抜けの上部にあるのは、木目がおしゃれな梁。5匹の愛猫のキャットウォークを兼ねた梁が、さらなる空間の広がりを感じさせてくれるので、高いところが大好きなネコちゃんはもちろん、人にとっても居心地のいい空間になりました。

5匹のネコと快適に暮らすアメリカンテイストの住まい キャットウォークも空間を彩るアイテムに!

事例② 無垢の梁がナチュラルな清潔感を演出する平屋

2つ目も、リビングの勾配天井に吹き抜けを設けた事例です。こちらもリビングの天井を高くしつつ、キッチンの天井は低めにしています。隣接する和室は天井高を低くするだけでなく、床も一段下げているのがポイント。こうすることで天井を下げながらも、圧迫感が出ないようにしています。

木目と節が美しい勾配天井の梁が開放的な空間を演出。木の温もりと白い壁や天井の組み合わせが、洗練されたナチュラルテイストの空間によく合っていますね。

窓辺に四季を感じながら、 “好き”を楽しむ平屋の暮らし。

事例③ 高天井で生まれた機能的なステップフロアのある平屋

3つ目に紹介する住まいは、リビングの一角にスキップフロアを設けているのが特徴。リビングから階段を使えば、直接スキップフロアの上へ行けるようになっています。

上の空間は4.5帖の子ども部屋になっており、その先にはさらにロフトへと続く階段が。スキップフロアの下はクレバリーホームのオリジナル収納「MONOピット」になっていて、1つは大容量の収納スペース、もう1つはお子様の趣味スペースとして活用中です。

これはまさに「天井を高くすると間取りの自由度が高まる」ことを実感できる事例ですね。

開放感、家事ラク、遊び心。 カーテンのいらない生活を叶えた平屋の住まい。

淡路島で天井高のある開放的な平屋を建てるならクレバリーホーム淡路店へご相談を!

平屋は、2階の間取りや構造を気にすることなく、自由に天井高を決められるのが特徴です。開放感あふれる高い天井に憧れる方は多いかもしれませんが、気をつけるべきデメリットもあります。天井の高い平屋を建てるときには、コストや気密性・断熱性、メンテナンス性などを慎重に検討し、場所ごとに最適な高さで設計したいところです。

クレバリーホーム淡路店は、デザイン性はもちろん、高気密高断熱といった住宅性能にもこだわる工務店。平屋の家づくりにも長けており、豊富な実績とアイデアを活かして、お客様一人ひとりのライフスタイルに合った天井高をご提案します。

淡路島で平屋を建てるなら、クレバリーホーム淡路店までぜひお気軽にご相談ください。


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