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2025/9/30
平屋はやめたほうがいい?その理由と平屋で後悔しないための対策、家づくりのポイント【淡路島の工務店が解説】
ワンフロアで暮らせる快適さが人気の平屋ですが、「平屋はやめたほうがいい」という声を聞いて、平屋にすべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。たしかに、平屋には注意すべきポイントもありますが、必要な対策をすれば弱点をカバーできます。
この記事では、淡路島で多くの注文住宅を手がけてきたクレバリーホーム淡路店が、平屋はやめたほうがいいといわれる理由と対策、平屋のメリットや向いている人の特徴まで、プロの視点で分かりやすく解説します。
平屋は「やめたほうがいい」といわれる5つの理由と対策
近年人気の高まっている平屋ですが、なぜ「やめたほうがいい」という声があるのでしょうか。ここでは、「やめたほうがいい」という主張の背景にある5つの理由と、それを解決するための対策をセットで詳しく見ていきましょう。(1)土地代や建築費用などが高くなりがちだから
平屋を建てるのをためらう理由として、コストの問題がよく挙げられます。2階建てと同じ延床面積の家を建てようとすると、平屋の場合は建物の面積(建築面積)が単純に2倍必要になります。建築面積を確保するには、より広い土地が必要なうえ、家全体を支える大きな基礎も求められます。そのため、延床面積が同じ2階建てと平屋を比較すると、平屋のほうが土地代や建築費が高くなる傾向にあるのです。
また、広い土地が必要な分、毎年課税される固定資産税も高くなりやすいでしょう。
対策:シンプルな形状と効率的な間取りで建築費をコストダウン
2階建てに比べて土地代や建築費が高くなりやすいとされる平屋ですが、設計や間取りの工夫で費用を抑えられます。
一般的に、建物の形が複雑で凹凸が多いほど、外壁の面積が増えて、建築費がかさみます。できるだけ、シンプルな正方形や長方形にすれば、平屋の建築費を抑えられるでしょう。
また、平屋は2階建てと異なり、階段のスペースが不要です。水まわりを1ヶ所にまとめたり、リビングを家の中心に配置して廊下を極力減らしたりすることも可能です。こうした工夫で間取りを効率化すれば、2階建てよりもコンパクトな空間で、理想の住まいをつくれます。
こうすることで、土地面積や建築面積を抑えることができ、費用も節約できます。
(2)防犯面やプライバシーの確保が難しい場合があるから
すべての部屋が1階にある平屋は、2階建てに比べて、外部からの侵入経路が多くなりやすい点が課題です。外部とのつながりを意識した開放的な間取りが好まれる平屋では、この問題点が特に気になりやすいといえるでしょう。また、道路や隣家との距離が近い敷地の場合、外から室内の様子が見えやすく、プライバシーの確保が難しいと感じることも少なくありません。家の中の様子がうかがえると、部外者に生活リズムを把握され、空き巣に狙われやすくなるという声もあります。
対策:窓の配置や外構デザインでリスクを軽減
防犯性やプライバシーに課題の多い平屋ですが、窓の配置や外構デザインといった工夫で防犯上のリスクを軽減できます。例えば、縦長のスリット窓や高い位置のフィックス窓など、外から侵入しにくい窓を採用するのがおすすめです。室内の明るさや風通し、開放感を保ちながら、外部からの侵入経路をなくせます。リビングやテラスに面する大きな窓には、衝撃に強い防犯ガラスやシャッターを設置するとより安心です。
道路や隣家からの視線を遮るには、フェンスや植栽で目隠しするのが効果的。外とのつながりを大切にしながらも、プライバシーの守られた住まいにできるでしょう。
(3)プライベートな空間をつくりにくいから
ワンフロアに家族が集まる平屋は、家族同士のコミュニケーションが取りやすい一方で、一人ひとりのプライベートな空間を確保しにくいという側面もあります。そのため「一人の時間を大切にしたいなら、平屋はやめたほうがいい」といわれることもあるかもしれません。
特に問題になりやすいのが、リビングで過ごす家族の生活音やトイレを流す音などが、個室に響きやすい点です。在宅ワークや子どもの勉強など、一人で集中したい場面では、ストレスを感じることもあるでしょう。また、それぞれの生活リズムが異なる家庭では、「家族の生活音が気になって眠れない」といった問題に発展しがちです。
対策:ゾーニングでパブリックとプライベートを分離
平屋の強みである家族間のつながりを大切にしつつ、一人の時間もしっかり確保するには、間取りにおける「ゾーニング」がポイントです。ゾーニングとは、空間を用途ごとに区切る手法のこと。家族みんなで使うリビングダイニングなどの「パブリックゾーン」と、個人で過ごすための寝室や書斎などの「プライベートゾーン」を、意識的に分けることで生活にメリハリが生まれます。
平屋の場合、家の中心にパブリックゾーンであるリビングダイニングを配置するのが一般的です。個室などのプライベートゾーンとリビングをつなげると生活音が響きやすくなるため、間に廊下やウォークスルークローゼットなどの収納スペースを挟むとよいでしょう。また、水まわりとプライベートゾーンを離して配置するのもおすすめです。
(4)日当たりや風通しが悪い間取りになりがちだから
ワンフロアにすべての部屋がある平屋では、床面積を確保しようとすれば、家の中心にある部屋が窓から離れることになります。その結果、中心部の部屋に自然光や風が届きにくくなってしまいます。せっかくのマイホームなのに、日中でも照明が必要な部屋ができてしまうのは避けたいところです。また、周囲に2階建て以上の住宅がある場合、背の低い平屋は、時間帯によって日差しが届きにくくなることがあります。市街地に平屋を建てる際は、側面の窓以外からも日差しや風を取り込む工夫が必要になるでしょう。
対策:中庭や天窓で採光と通風を確保
平屋における日当たりや風通しの問題は、間取りの工夫で解決できます。
日当たりや風通しを確保するのに効果的なのが、中庭を中心とする「コの字型」や「ロの字型」の間取りです。家の中心に光と風の通り道となる中庭を設ければ、住まい全体に自然光や心地よい風を効率的に取り込めます。
また、吹き抜けや勾配天井で天井高を確保して、上部に天窓(トップライト)や高窓を設けるのもおすすめです。高い位置にある窓は周囲の建物の影響を受けにくいため、いつでも安定した日当たりと風通しを得られるでしょう。
(5)水害時の垂直避難が難しいから
近年、気候変動の影響もあり、日本各地で豪雨による水害が多発しています。すでに浸水被害が起きていて、避難所まで向かうのが危険な場合、家の上階へ逃げる「垂直避難」が推奨されています。しかし、上階がない平屋では、垂直避難はできません。家づくりにあたって新たに土地を購入する場合、必ず自治体の洪水ハザードマップを見て、検討している土地が浸水想定区域に含まれていないか、事前にチェックしておきましょう。
対策:土地選びで浸水リスクを回避
検討している土地や所有している土地が浸水想定区域内にある場合、垂直避難ができない平屋にするのはできるだけ避けたほうがよいでしょう。平屋のマイホームを希望するなら、浸水リスクの低い土地を選ぶことをおすすめします。浸水想定区域内にどうしても平屋を建てたいのであれば、土地全体をかさ上げしたり、建物の基礎を通常より高めに設計したりするなど、浸水を防ぐための対策をしておきましょう。また、天井を高めにして小屋裏収納(ロフト)を設ければ、万が一の際の緊急避難スペースとしても活用できます。
ワンフロアで暮らしが完結する平屋住宅の5つのメリット
ここまで「平屋はやめたほうがいい」といわれる理由とその対策について解説してきましたが、平屋にはそれを上回る魅力があります。続いて、ワンフロアで暮らしが完結する平屋住宅ならではのメリットを5つ紹介しましょう。(1)動線がコンパクトで暮らしやすい
平屋は、すべての部屋がワンフロアにあるため、階段での上下移動が不要です。生活動線が短くシンプルなので、重い洗濯物を持っての移動や、掃除機を抱えての階段掃除も必要ありません。毎日の家事がぐっと楽になります。
平屋ならではのシンプルでコンパクトな動線は、日々の小さなストレスをなくし、暮らしにゆとりをもたらしてくれるのです。
(2)家族とのコミュニケーションが取りやすい
平屋は、家族全員が常にワンフロアで生活するため、自然と顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが取りやすくなります。リビングから各個室や水まわり、玄関につながる間取りにすれば、誰がどこにいてもお互いの気配を感じられます。例えば、キッチンに立ちながら帰宅した子どもたちに声をかけたり、料理や片付けをしながら宿題をする子どもの様子を見守ったりできます。忙しい子育て世代や、お年寄り・ペットのいる家庭も安心です。
(3)構造が安定しており地震に強い
地震大国である日本において、家の耐震性は重要なポイントです。平屋は2階建てに比べて、高さが低く重心が低いため、構造的に安定しています。このため、地震の揺れによる影響を比較的受けにくく、建物への負担も少ないのです。
また、平屋は上階の重さを支える必要がないので、地震の揺れで2階が1階を押しつぶす心配もありません。2階の間取りに縛られず、設計の自由度を保ったまま高い耐震性を維持できるのも平屋のメリットといえるでしょう。
(4)メンテナンス費用を抑えやすい
家は建てて終わりではなく、長く快適に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。家のメンテナンスの中でも、特にコストがかかるのが外壁と屋根の塗り替えです。標準的な窯業系サイディング外壁の場合、10〜15年に1回程度、塗装工事を実施する必要があります。平屋は2階建てに比べて外壁の面積が小さいため、外壁塗装や補修にかかる費用を抑えられるのがメリットです。また、屋根の塗り替えにあたっても、2階建てのような大がかりな足場が不要となるケースも多く、全体の費用を抑えられます。
メンテナンス費用は、住み続けるかぎり繰り返し負担しなければならないため、1回あたりの費用を抑えられる平屋は、長期的に見ても経済的な住まいといえるでしょう。
(5)バリアフリーだから老後も安心できる
若いうちは気にならない階段も、年齢を重ねると身体的な負担になり、転倒や転落によるケガのリスクも高くなります。階段のない平屋なら、こうしたケガの心配が不要です。将来、介護が必要になったり車椅子で生活したりするようになっても、段差のないバリアフリーの住まいならストレスなく生活できるでしょう。また、階段のない平屋は、小さな子どもやペットの転倒や転落の心配がありません。子育て世帯からお年寄り世帯まで、幅広い年代にとって安心で快適な住まいなのです。
平屋暮らしが向いているのはこんな人
これまでのメリット・デメリットを踏まえると、平屋はどのような人に向いているのでしょうか。ここでは、平屋との相性がよい人の特徴を3つのタイプに分けて紹介します。ご自身やご家族のライフスタイルと照らし合わせて、チェックしてみてください。子育てのしやすさや老後の暮らしやすさを重視する人
階段がなくワンフロアで完結する平屋は、どの世代にも優しいバリアフリーな住まいです。
子育て中は、子どもが階段から転落する心配がなく、いつでも子どもの様子を見守れるので安心です。子どもが独立した後は、夫婦二人で安心して暮らせる、老後にぴったりの住まいになります。
現在、小さなお子様やお年寄りと暮らしている人はもちろん、将来ライフステージが変わっても安心して住み続けられる家を探している人にも、平屋はおすすめです。
家族とのコミュニケーションを大切にしたい人
家族とのコミュニケーションを大切にしながら暮らしたい人にも、平屋の家づくりはおすすめです。家族がいつも同じフロアで過ごす平屋は、家族の距離が縮まりやすい住まいです。リビングを中心に各部屋を配置する間取りにすれば、学校や仕事から帰ってきた家族が自然とリビングに集まり、コミュニケーションが生まれるでしょう。
個室にいるときでも、家族の声や存在を感じやすいのもポイント。自分だけの時間を大切にしつつ、家族同士が程よい距離感で過ごせるため、一体感が生まれやすくなります。
外とのつながりを感じながら暮らしたい人
すべての空間が地上に面している平屋は、間取り次第で、外と中を一体化させられます。外の風や自然を身近に感じながら暮らしたい人にとって、平屋は理想的な住まいといえるでしょう。
庭にウッドデッキやテラスを設けて、リビングから気軽に出入りできるようにすれば、室内外が一体となった開放的なアウトドアリビングになります。植栽を植えたり、ロの字やコの字の中庭を設けたりすれば、どの部屋にいても緑を眺められる住まいになるでしょう。
こうした環境を利用すれば、おうちキャンプやバーベキュー、ガーデニングなどが楽しめ、家で過ごす時間がもっと豊かになるでしょう。
クレバリーホーム淡路店・徳島店の平屋の建築事例3選
次に、実際に私たちが手がけた平屋の注文住宅の事例を3つ紹介します。「平屋の課題をどのように解決したのか」という点に注目してご覧ください。【事例1】中2階をつくり、収納スペースを確保した平屋
1つ目は、平屋の課題の一つである収納不足を、設計の工夫で見事に解決した住まいです。
収納を確保したいというお客様のご要望に応え、寝室から階段でアクセスできる中2階の収納スペースを設置。縦の空間をうまく活用することで、居住スペースを狭めることなく、平屋の収納問題をスマートに解決しました。
切妻屋根の勾配を活かして、リビング上部に吹き抜けを設けて開放感を演出しているのも特徴です。吹き抜け部分の梁はキャットウォークにもなっており、家族の一員である5匹のネコちゃんたちも快適に過ごせる平屋が完成しました。
5匹のネコと快適に暮らすアメリカンテイストの住まい キャットウォークも空間を彩るアイテムに!
【事例2】採光と通風に配慮したL字型の平屋
2つ目は、L字型の間取りのメリットを最大限に活かした、明るく風通しのよい平屋です。
建物をL字型にしたことで、すべての部屋に自然光と風が届くようになり、どの部屋も気持ちよく過ごせます。L字に囲まれた庭は、適度に外部からの視線を遮れるので、プライベート感のある空間を楽しめます。
また、L字の両辺を使って、LDKなどのパブリックゾーンと寝室の並ぶプライベートゾーンに分けているのも特徴です。この工夫により、平屋で課題となりやすいプライベート空間も確保しました。
家族の絆と個々のプライバシーを両立!暮らしやすさにこだわったL字型の平屋
【事例3】コの字型で家族のプライバシーを確保した平屋
最後に紹介するのは、プライバシーの確保と開放感を両立させた、コの字型の中庭がある平屋です。
建物で囲まれた中庭はタイル貼りのテラスとなっており、家族だけのアウトドアリビングとして楽しめます。中庭を挟んで、片方に娘夫婦の主寝室、もう片方に母親の寝室を配置。開放感を大切にしながら、それぞれの世帯のプライバシーにも配慮しているのがポイントです。
また、主寝室と子ども部屋の間にはウォークインクローゼットを設置しており、家族それぞれが自分の時間を大切にできる住まいになりました。
淡路島で平屋の注文住宅を建てるならクレバリーホーム淡路店へお任せを!
平屋には、土地の確保や効率的な間取り、セキュリティ・プライバシーの確保など、計画段階で考えておかなければならない点があるのは事実です。しかし、一つひとつの課題に対して設計の工夫や適切な対策を取れば、デメリットを克服し、平屋のメリットを存分に活かした理想の住まいを形にできるでしょう。クレバリーホーム淡路店は、淡路島に密着して数多くの注文住宅を手がけてきました。これまでの経験と知識を活かし、お客様のライフスタイルやご要望に合わせた最適な平屋の住まいをご提案します。
淡路島で、長く快適に暮らせる平屋の注文住宅を検討しているなら、クレバリーホーム淡路店までぜひお気軽にご相談ください。
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