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2025/11/27
平屋への建て替え費用相場を注文住宅のプロが解説!平屋に建て替えるメリットと注意点、事例もご紹介
「親と同居を始めたい」「老後も暮らしやすい家にしたい」など、ライフステージの変化を見据えて、ワンフロアで生活が完結する「平屋」への建て替えを検討する方が増えています。しかし、費用はどれくらいかかるのか、どんなメリットや注意点があるのか、具体的にイメージできない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、注文住宅を数多く手がける工務店のプロが、平屋の建て替え費用相場や後悔しないためのポイントなどを詳しく解説します。ぜひ、快適で暮らしやすい平屋の住まいづくりの参考にしてくださいね。
平屋への建て替えにかかる費用の相場と内訳
建て替えには、単に家を建築する費用だけでなく、既存の家の解体費用や税金など、さまざまな費用がかかります。まずは、全体でどれくらいの費用が必要になるのか、相場と詳しい内訳を把握しておきましょう。
平屋への建て替えにかかる費用の相場
平屋への建て替え工事の場合、「坪単価」(1坪あたりでかかる建物本体の工事費)の目安は「60万~90万円程度」です。一般的な床面積30坪の平屋を建てる場合、本体工事費だけで「60万円 × 30坪 = 1,800万円」がかかる計算になります。ただし、坪単価は建物構造(木造よりもRC造のほうが高い)や依頼する工務店、使用する建材のグレードなどによって異なります。
上記の費用はあくまで本体工事費のみです。実際には、このほかに「付帯工事費」や「諸費用」がかかり、総額は「本体工事費 + 付帯工事費 + 諸費用」で表せます。
平屋への建て替え費用の内訳
前述のとおり、平屋への建て替え費用は「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分けられます。それぞれの費用の割合は、おおむね「本体工事費:75%、付帯工事費:20%、諸費用:5%」です。・本体工事費(全体の約75%)
建物そのものを建てるための費用です。基礎工事、木工事、屋根工事、内外装工事、設備の設置工事などが含まれます。坪単価で計算される工事費は、この本体工事費を示すのが一般的です。
・付帯工事費(全体の約20%)
建物本体以外にかかる工事費用です。建て替えの場合、例えば次のような費用が必要になります。
○解体工事費: 既存の家を解体・撤去する費用。
○地盤改良工事費: 地盤が弱いとき、改良するための工事にかかる費用。
○外構工事費: 駐車場、門、塀、庭など、建物周辺の外構部を整備するための費用。
○給排水・ガス・電気の引込工事費: ライフラインを新たに整備するための費用。
・諸費用(全体の約5%)
工事以外にかかる手数料や税金など。見落としがちですが、すべて合わせた金額は決して小さくありません。
○各種税金: 新築建物の不動産取得税、建物滅失登記・建物表題登記・所有権保存登記にかかる登録免許税、工事請負契約書にかかる印紙税など。
○登記費用: 司法書士に支払う手数料。
○住宅ローン手数料: ローンを組む場合に必要です。
○仮住まい・引越し費用: 工事期間中の仮住まいの家賃や、2回分の引越し費用も必要です。
建て替え時には、付帯工事費や諸費用も忘れずに予算に組み込み、資金計画に余裕を持たせておきましょう。
平屋への建て替えにかかる費用を抑える3つのコツ
建て替えにはまとまった費用が必要ですが、工夫次第でコストを抑えられることも。ここでは、積極的に実践したい建て替え費用を抑える3つのコツをご紹介します。無理なコストカットで品質を落とすのではなく、ポイントを押さえて賢く節約しましょう。国や自治体の補助金制度を活用する
家づくりには、国や自治体が実施しているさまざまな補助金制度を利用できます。近年の制度は、省エネ性能が高い住宅や子育てしやすい住宅に対し、手厚く補助する傾向にあります。
例えば、住宅省エネ2025キャンペーンの一環として行われている「子育てグリーン住宅支援事業」(2025年10月現在で一部受付終了)を活用すれば、条件を満たすことで最大100万円(長期優良住宅に建て替える場合)の補助金を受け取れるでしょう。また、お住まいの自治体が独自に行っている補助金制度も要チェックです。
制度の多くは、細かな要件や申請期間が定められています。自分で最新情報を確認するとともに、補助金申請の経験が豊富な工務店に相談するのがおすすめです。
家の形や間取りをシンプルにする
建物の形は、できるだけ凹凸の少ないシンプルな正方形や長方形にするのが、建築費用を抑えるための基本です。複雑な形にすると、外壁面積や施工に手間のかかる箇所が増え、費用が余計にかかってしまいます。コストを抑えたいなら、間取りもできる限りシンプルにしたいところ。部屋数をむやみに増やさず、間仕切りを減らしたり、廊下をなくしたりするだけでもコストを削減できます。水まわりを1ヶ所に集約するのも、配管工事費の節約につながるでしょう。
シンプルなデザインは、コストを抑えられるだけでなく、動線がスムーズで暮らしやすくなるというメリットもあります。
地元で実績のある工務店に相談する
地域に根ざした工務店は、その地域の気候や風土を熟知しているため、その土地に最適な家づくりを提案できるのが強みです。平屋の建築実績が豊富な工務店であれば、費用を抑えながら快適な暮らしをかなえるためのノウハウやアイデアをたくさん持っています。コストと品質のバランスが良い建て替えを希望するなら、信頼できる地元の工務店に依頼するとよいでしょう。
家を平屋に建て替える5つのメリット
二階建てから平屋に建て替えることで、暮らしはどのように変化するのでしょうか。ここでは、平屋に建て替えるメリットを5つご紹介します。階段の上り下りがなくなり室内の移動がラクになる
ワンフロアしかない平屋のメリットとして、真っ先に考えられるのが「階段がない」こと。重い洗濯物を持って階段を往復したり、掃除機を持って上がったり下りたりする必要がなくなり、日々の家事がラクになります。
家事動線が短くなり、家事の時短にもつながる点は、仕事と育児に忙しい共働き世帯にとってうれしいポイントです。また、小さなお子様がいるご家庭では、階段からの転落事故の心配がなくなり、安心して子育てができるでしょう。
ワンフロアで家族とコミュニケーションが取りやすくなる
平屋では、家族全員が同じフロアで暮らすため、自然と顔を合わせる機会が増えます。リビングを中心に各部屋を配置する間取りにすれば、どこにいても家族の気配を感じられ、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。「子どもが自分の部屋にこもりがち」という事態も起こりにくくなり、家族間の会話が増えるきっかけにもなります。また、高齢の親と同居する場合も目が届きやすくなり、万が一のときにもすぐ対応できて安心です。
重心が低く安定した構造で耐震性を高くできる
家を建て替えるにあたって、地震への備えを強化したいと考えている方も多いのではないでしょうか。耐震性を高める意味でも、平屋への建て替えはおすすめです。平屋は二階建てに比べて建物自体の高さが低く、重心も低いため、構造的に安定しています。加えて、建物形状がシンプルなものが多いため、揺れのエネルギーが特定の箇所に集中しにくく、倒壊のリスクを低くできるのです。地震だけでなく、台風による強風などに対しても強さを発揮するので、災害に強い安心の住まいをかなえられるでしょう。
メンテナンス費用を削減できる
家は建てて終わりではありません。むしろ、長く快適に住み続けるためには、住み始めてからのメンテナンスに目を向ける必要があります。平屋は、二階建てに比べて、こうしたメンテナンスにかかる費用を抑えられるというのもメリットです。二階建ての場合、外壁の塗り替えや屋根の修理のたびに、大掛かりな足場を組む必要があります。足場代を含む塗装工事全体の費用は、1回で100万〜150万程度というのが相場です。
しかし、平屋であれば足場が不要なケースもあり、たとえ組むにしても小規模で済むケースがほとんど。二階建てに比べて、塗装しなければならない外壁面積も小さいので、メンテナンス費用を節約できます。
将来を見据えたバリアフリー設計がしやすくなる
老後まで長く住み続けるつもりでいるなら、年を取ってからも安心して暮らせる家づくりが求められます。平屋はもともと階段がなく、生活に必要なスペースをすべて1階に集約できるので、少し工夫するだけで理想的なバリアフリー住宅をかなえられるでしょう。
例えば、廊下の幅を広く確保して車椅子でも移動しやすくする、水回りに手すりを設置する、室内のドアを吊り戸にして段差を完全になくすといった工夫が考えられます。老後も見据えた家づくりを目指すなら、平屋への建て替えがおすすめの選択肢です。
平屋へ建て替える際の5つの注意点
平屋へ建て替えるにあたっては、当然ながら気をつけるべき注意点もあります。建ててから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、次の5つのポイントをあらかじめ理解しておきましょう。床面積が減るため部屋数や収納が不足しやすい
二階建てから平屋に建て替える場合、1階部分の広さを同じ規模にしたとしても、2階部分がなくなるため、居住スペースは必然的に小さくなります。建築費用を抑える目的で面積を削ってしまうと、「思ったより部屋が狭い」「収納スペースが全然足りない」といった問題が起こりがちです。床面積を広げすぎることなく、スペースにゆとりを持たせるには、間取りの工夫が欠かせません。例えば、部屋間をつなぐ廊下をなるべくなくして居住スペースを広く取ったり、屋根裏空間を活用したロフトやステップフロアを設けて、縦の空間を有効活用したりするのがおすすめです。
新しい家でどれくらいの部屋数と収納量が必要なのか、しっかりとシミュレーションし、間取りプランにしっかりと落とし込みましょう。
プライバシーの確保に工夫が必要になる
すべての部屋が1階にある平屋は、道路や隣家からの視線が気になりやすいというのもデメリットです。特にリビングや寝室など、家族や自分だけでくつろぐ空間のプライバシーはしっかりと確保したいものですよね。
プライバシーを守るには、窓の配置や高さを工夫するとよいでしょう。例えば、高い位置に横長のFIX窓を設ければ、自然光を室内に取り込みつつも、外部からの視線を遮ることができます。また、外から見られたくない場所に植栽やデザイン性の高いフェンスを設置したり、「ロの字型」や「コの字型」の中庭を設けて、外からの視線が直接入らないようにしたりするのも効果的です。
日当たりや風通しが悪くなりやすい
平屋で床面積を確保しようとすると、建物に平面的な広がりが生まれるため、中心部まで十分に自然光が届かず、日中でも薄暗い部屋ができてしまうことがあります。窓の配置によっては、風の通り道がなく、空気がこもりがちになるケースもあるでしょう。こうした採光や通風の問題も、間取りの工夫で解決できます。例えば、先ほどプライバシー対策としてご紹介した「ロの字型」や「コの字型」の中庭は、室内の奥のほうまで自然光と風を届けるにも適したアイデアです。
天井を高くして、上部に開閉できる高窓や天窓を設置するのもおすすめ。上部から自然光を取り込めるうえ、室内で空気が上昇する性質を使った「重力換気」が促され、縦方向に風の通り道をつくることができます。
基礎や屋根の面積が広くなり費用が割高になる場合がある
意外に思うかもしれませんが、同じ延床面積の二階建てと平屋を比べると、平屋のほうが建築費用が割高になる可能性があります。なぜなら、平屋はワンフロアしかないため、同じ延床面積の二階建てに比べて、基礎と屋根の面積が約2倍になるからです。基礎工事や屋根工事は、建築費用の中でもコストがかかる部分なので、単純に坪単価だけで比較すると平屋のほうが高くなる傾向にあります。
しかし、これはあくまで「延床面積が同じ場合」の話。平屋は階段をつくる必要がないことに加え、水まわりを集約したり廊下をなくしたりすれば、間取りを効率化できます。そうすれば、延床面積を二階建てより抑えつつ、十分な広さの居住スペースを確保できるでしょう。
水害のリスクが高まる場合がある
近年、梅雨の豪雨やスーパー台風、ゲリラ豪雨などによる水害のリスクが高まっています。真夜中やすでに浸水が発生していて避難が難しいとき、二階建てであれば2階へ垂直避難できますが、1階しかない平屋ではその選択肢が取れません。
土地をかさ上げして高くしたり、建物の基礎を通常より高く設計したりすれば、ある程度水害リスクを下げることはできますが、深く浸水してしまうとどうしようもありません。
平屋への建て替えを検討する際は、自治体のハザードマップを確認し、その土地が浸水想定区域に含まれていないかどうかチェックしましょう。浸水想定高さがあまりに高いようであれば、平屋は避けたほうがいいかもしれません。
平屋への建て替えか減築リフォームか?迷った際の判断基準
自宅や実家を平屋にしたいと考えたとき、建て替え以外に、2階部分を解体して1階部分を改修する「減築リフォーム」という方法もあります。「建て替えるか、減築リフォームするか」で迷ったときのために、判断基準となる3つのポイントを解説します。
家づくりの自由度と費用・工期のバランス
減築リフォームと比較したとき、建て替えの最大のメリットは、設計の自由度が高いことです。基礎からすべて新しくするため、間取りやデザイン、住宅性能など、すべてを一から好きなようにつくることができます。ただし、その分費用は高額になり、工期も長くなるでしょう。一方、減築リフォームは、既存の基礎や柱を活かすため、建て替えよりも費用や工期を抑えられるのが魅力です。しかし、構造上の制約を受けるので、建て替えほどの自由度はありません。
「理想の家を一からつくりたい」のであれば建て替え、「活かせるところは活かしつつ、費用をなるべく抑えたい」のであれば減築リフォームが適しているでしょう。
構造や基礎の劣化具合と耐久性
長年住んできた家は、見た目がどれだけきれいでも、目に見えない基礎や柱、土台といった構造部分が劣化している可能性があります。特に、シロアリの被害や雨漏りによる腐食が進んでいる場合、いくら表面をきれいにリフォームしても、家の安全性は確保できません。こうしたケースでは、一から建て替えるほうが安心です。一方、専門家による住宅診断(ホームインスペクション)の結果、構造部分がしっかりしているとわかれば、減築リフォームを検討しても問題ないでしょう。
このように、既存の建物の状態を正しく知ることも、建て替えにするか減築リフォームにするかの重要な判断基準になります。
将来の資産価値についての考え方
将来的に家を売却したり、子どもに資産として残したりする可能性も考えてみましょう。建て替えの場合、建物は新築になるため、評価額が高まります。時間の経過とともに資産価値は下がっていきますが、中古物件に比べると、より長く資産価値を維持できるはずです。減築リフォームをする場合も、リフォーム内容によっては資産価値アップを見込めるものの、建物の築年数は変わりません。よって、建て替えに比べると資産価値は低く評価されます。
この視点を踏まえると、「コストを抑えて今の暮らしを快適にしたい」という目的なら減築リフォーム、「将来の資産価値も重視したい」という目的なら建て替えが向いているといえるでしょう。
平屋に建て替えた建築事例をご紹介
室内干しができるランドリールームとファミリークローゼット、外干しスペースのすべてが1階に集約され、洗濯動線がスムーズな点もこの住まいの魅力。平屋の弱点を中庭で克服しつつ、平屋のメリットを存分に活かした事例です。
淡路島の家を平屋へ建て替えるならクレバリーホーム淡路店までご相談を!
二階建てから平屋へ建て替えると、動線がコンパクトになったりバリアフリーになったりと、さまざまなメリットが考えられます。しかし、平屋特有の注意点もあるため、弱みをカバーできるよう、間取りは慎重に検討しましょう。クレバリーホーム淡路店は、淡路島で注文住宅を数多く施工しており、平屋を手がけた実績も豊富です。淡路島にある自宅や実家を平屋に建て替えたいなら、ぜひクレバリーホーム淡路店までお気軽にご相談ください。
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